Lecture & Seminar      Faculty of Law

         2008 Contract and Related Topics in Interactive Lecture  民法双方向講義
  
Purpose


 
ある事例に対する民法上の解決について、一通りの説明ができるようになることが目標である(知っているだけの民法から、使うことができる民法へ)。

Summary


 民法(財産法)の事例について相談を受けたと仮定し、法的手段や解決をきちんと提示できるように検討してみたい。「結局、私は、誰に、どんな請求ができるのでしょうか?」という設定である。民法が好きな人や、民法の実力を試したい人・みがきたい人は、是非、受講していただきたい。法科大学院への進学を考えている人、法律相談部の学生も、歓迎する。講義の水準は、3・4年生を念頭においている(2年生には来年度の受講を勧める)。
 事例をきちんと解決しようとすると、これまで学習してきた民法全体の知識・理解を総動員する必要に迫られる。世の中の事例は、ある部分は民法総則に関係するが、他の部分は物権に関係し、別の部分は債権各論に関係する、というかたちで現れるのが普通だからである。たとえば、売買した物が買主の期待に反した品質であったという単純なケースでも、詐欺・錯誤は総則、債務不履行は債権総論、瑕疵担保・契約締結上の過失・不法行為は債権各論に関係する。また、買主が何を望んでいるのか(代金の返還か、物の修理か、金銭的な保障か)によっても、どの制度が関係するか変わってくる。
 この講義では、具体的事例を、最初から最後まで考え抜くことで、民法の知識・理解を確固としたものにし、そして実際に使える理解にまで高めることを目指す。

Plan

 担当教員が法科大学院で担当している授業の経験をふまえて、学部生向けの事例を作成する。1テーマ(1事例)につき2〜3回を要するため、合計7テーマをとりあげることになる。昨年度のテーマは、売買、損害賠償請求、建物賃貸借、物権変動、抵当権、保証、債権回収であった。
 双方向講義であるので、講義と演習の中間的な授業形態となる。つまり、(1)受講者は予め配布された事例を予習する、(2)授業では、担当教員が受講生に質問をしながら事例を整理する、(3)また法的手段や解決についても、質問と回答を通じて明らかにしていく、(4)さらに重要な論点について議論する、というかたちが基本である。




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