1 土地明渡請求の実体法と手続法1 第1回〜第3回は、土地明渡請求という典型的な紛争について、実体法上の理論的問題、手続法上の理論的問題、および実務上の問題を検討する。 この回では、設例の事件を受任した場合に、紛争の解決に向けて、まず調査すべき点、考えうる法的手段、講じるべき措置などを検討し、実体法・手続法・実務の3つの観点を接合する思考の重要性を確認する。
2 土地明渡請求の実体法と手続法2
まず、設例について訴訟を提起する場合の法的構成、訴訟提起の方法などを検討する。共有物たる土地の明渡請求の設例であるため、民法の共有理論、民事訴訟
法の共同訴訟論、および両者の関係が問題になる。また、予測されうる被告からの反論についても、その法的構成などを検討する。
3 土地明渡請求の実体法と手続法3
第2回で検討した法的構成について、要件事実を検討する。原告に関しては賃貸借の解除原因、被告に関しては所有権の取得原因が重要になる。また、それらの
要件事実の具体的な立証方法についても考察する。さらに、原告勝訴の場合、被告勝訴の場合のそれぞれについて、判決後にとるべき措置を検討する。
4 詐害行為取消権の行使、訴訟、執行1 第4回〜第7回は、詐害行為取消権について、実体法上の理論的問題、手続法上の理論的問題、および実務上の問題を検討する。
この回では、債務者が詐害行為の疑いのある財産処分をした設例の場合に、事件の委任者である債権者から事情聴取すべき点、さらに調査すべき点を検討する。
また、債権回収のために、誰に対しどのような内容の手法的段を講じるべきか、その法的手段のためにどのような保全処分が必要になるかを検討する。
5 詐害行為取消権の行使、訴訟、執行2
詐害行為の疑いのある財産処分が複数あり、被告となりうる者が複数いる設例であるため、誰に対して(受益者か転得者か)、どのような請求の趣旨で(現物返
還・価格賠償、主位的請求・予備的請求なども含め)、訴訟を提起すべきかを考察する。また、それぞれの訴訟における要件事実を明らかにする。
6 詐害行為取消権の行使、訴訟、執行3 被告となりうる受益者や転得者ごとに争点が異なる設例であるため、それぞれについて学説・判例を検討する。具体的には、離婚による財産分与、一部債権者のための担保権設定、一部債権者への弁済が詐害行為となるかどうかなどである。
7 詐害行為取消権の行使、訴訟、執行4 この設例のように、複数の請求が並立する場合の訴訟指揮のあり方について検討する。また、債権者が詐害行為取消訴訟で勝訴した場合、実際にどのような執行等によって債権を回収することになるかを検討する。
8 連帯保証の法律関係、判決の既判力1 第8回〜第11回は、主たる債務者・連帯保証人が前訴で敗訴した設例を用いて、実体法上の理論的問題、手続法上の理論的問題、および実務上の問題を検討する。 この回では、主たる債務者が後訴として請求異議訴訟を提起した場合に、事件の委任者である連帯保証人から事情聴取すべき点、調査すべき点を検討する。このとき、係属中の訴訟記録の閲覧も問題になる。
9 連帯保証の法律関係、判決の既判力2 主たる債務者が後訴の請求異議訴訟で、前訴の既判力に抵触するおそれのある事由を主張している場合について、学説・判例を検討する。具体的には、債権者との契約の詐欺取消、債務不履行にもとづく解除、債務不履行にもとづく損害賠償請求権による相殺などの事由である。
10 連帯保証の法律関係、判決の既判力3 主たる債務者が後訴を提起している場合に、連帯保証人はどのような対応が可能であるかを検討する。とくに、補助参加するための要件、補助参加人の地位、補助参加による参加的効力などを、設例に即して具体的に考察する。
11 連帯保証の法律関係、判決の既判力4 連帯保証人が、前訴判決にもとづく強制執行を回避するための法的手段、主たる債務者が後訴で敗訴した場合の連帯保証人の求償、主たる債務者が後訴で勝訴した場合の連帯保証人と債権者との関係などについて検討する。
12 生活妨害と差止請求・損害賠償請求1 第12回〜第14回は、生活妨害の設例を用いて、差止請求、過去の損害賠償請求、将来の損害賠償請求に関する実体法上・手続法上の問題を検討する。 この回では、加害者に対し、どのような請求が可能であるかを検討する。とくに、差止請求権の法的構成・要件、請求の特定(抽象的不作為請求の可否など)、および、将来給付の訴えの可否が重要になる。
13 生活妨害と差止請求・損害賠償請求2 訴訟を提起する場合に、予め申し立てるべき保全処分(満足的仮処分の問題を含む)について検討する。また、生活妨害に複数の発生源がある場合について、誰に対しどのような差止請求ができるかを、実体法と手続法の観点から考察する。
14 生活妨害と差止請求・損害賠償請求3
差止請求の勝訴判決を得た場合の執行について検討する。差止請求として、具体的作為、具体的不作為、抽象的作為、抽象的不作為をそれぞれ請求した場合において、許される執行方法を比較検討することになる。
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