2004/06/07
■■■■ 京都部落問題研究資料センター メールマガジン vol.057 ■■■■

□コラム□
      部落解放研究京都府集会

 6月4日、部落解放研究第18回京都府集会に参加した。今回は会場が京都府 北部の福知山だったので、電車で2時間ほどの遠路だった。  京都府集会は、以前は両手で数えなくてはいけないほどの分科会数を誇り、 一泊二日の大きな催し物だったが、数回前より分科会の数が整理され、ここ2、 3回はシンポや講演会を聞くだけになっている。今回は、「人権侵害救済法の 制定をめざして」というパネルディスカッションであった。  部落解放基本法要求が通らなかったことを受けて、次は、基本法の一部であ る規制法として「人権擁護法」要求運動を進めてきたが、昨年の衆議院解散で 廃案となってしまった。そして、今度は、「人権侵害救済法」要求運動に突き 進むというのが部落解放同盟の方針のようである。しかし、国から独立した整 然としたピラミッド型の人権委員会組織を作らせるということが、そんなに緊 急性のある、部落解放運動にとって焦眉の課題なのであろうか。  部落問題とは、部落と部落外を取り巻く人間関係の問題であり、その解決の ためには地域を基盤として、街づくり運動を進めること以外に道はないと思う のだが、上記の「人権侵害救済法」は、差別事件を主に取り扱うような感触を 持つ。もちろん事件を軽視してもいいといっているのではないが、現在の部落 問題に占める部落差別事件の位置は、以前よりは格段に小さくなってきており、 その解決も、外部の機関で取り扱うようなものは少ないと思うのだがいかがだ ろうか。
 京都府集会が1000人規模の小さな集会になったのは、予算の面や、いろいろ な事情があるのだろうが、今までのような、教育や保育や部落史など、多様な 課題を話し合う交流の場にできないものであろうか。(灘本昌久)

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