2002/11/13 京都部落問題研究資料センター メールマガジン vol.015

□テレビ番組レビュー□
 NHKスペシャル「分かるって面白い」
           (NHK総合、11月9日午後9時15分〜10時放映)

 番組に登場する山形県鶴岡市立第三中学校は、4年前、荒れていた。授業をエスケープしてしまう「授業離脱」が1割にものぼっていたというのだ。それを克服しようとする試みを番組では紹介する。
 荒れていた当時、その子どもを受け入れていた保健室の先生は、生徒にどうして抜け出すのかを問うてみた。すると、生徒は「わかんねーもん」と答えたというのだ。そして、先生は職員会議でそのことを提起し、学校をあげての「分かる授業」の取り組みが始まった。そのための手法は、習熟度別学級など、当たりで平凡なものであるが、しかし、一次関数の問題が解けるようになってから家で1時間以上勉強すようになったという女子生徒の輝いた目を見ていると、学校で起こる様々な問題の解決法は、結局は「分かることが楽しい」という状況をつくることが第一であることを改めて思い知らされる。
 中学校くらいになると、さすがに得意な子どもと苦手な子どもを一クラスにまとめて面倒見るのは大変だと思う。番組に出てくる例のように、できる子どものクラスは大人数でもなりたち、苦手の子どものクラスは、数人を1人の先生が担当する。これで子どもの状態に即したて丁寧な授業が可能になる。これは、なかなか理にかなっているのではないかと思った。この程度の方策は、どこの中学校でもやってもらえないものだろうか。

《参考データ》
・NHKスペシャル
<http://www.nhk.or.jp/special/schedule.html>

 「人権関係テレビ番組情報」は、以下をご覧ください。
<http://www.asahi-net.or.jp/~qm8m-ndmt/tv/contents.htm>