細胞増殖因子とそのレセプターは、動物細胞の増殖と分化の制御において、重要な役割を果たしています。瀬尾研究室の主な研究目的は、細胞増殖因子とそのレセプターがどのように細胞内にシグナルを伝達するのか、その分子メカニズムを明らかにすることです。細胞増殖因子の中でも特に、線維芽細胞増殖因子 (FGFs)とそのレセプター (FGFR)は、 骨格と神経系の発生において重要です。最近、FGFR遺伝子の変異が原因となる多くの遺伝病が分かってきました。
最近の主要な研究テーマは、メッセンジャー RNAの選択的スプライシングで生じる FGFR アイソフォームの機能の解析です。 ヒトは4種類の異なるFGFR遺伝子を持ちますが、そのそれぞれの遺伝子から生じるレセプターのアイソフォームは、 リガンドであるFGFに対する結合性が違っているだけでなく、細胞に伝達するシグナルの内容が異なり、その結果違った細胞の反応を引き起こしている可能性があります。すなわち、増殖(Growth)、分化(Differentiation)、増殖停止(Growth arrest)、運動(Motility)などです。研究室では、 FGFR3の細胞外ドメインにあるアシッドボックスを欠損している遺伝子をクローニングし、アシッドボックスの機能について解析中です。また、 FGFR1と FGFR2の細胞外ドメイン多型の機能についても解析しています。
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