この超簡易版リファレンスは Emacsクイックリファレンス http://www.unixuser.org/~euske/doc/emacsref/ を元に、超初心者が最低限知っておくべきことのみを残し、若干の補足を加えたものである。
emacs においてはすべてはコマンド操作で行われます。 キーを押すと、そのキーに割り当てられている (これを、束縛あるいは バインドされているとも呼ぶ) コマンドが実行されます。 この割り当てを変更することにより、自分の好みのキーで emacs を操作する ことができます。(あまり使われないため) どのキーにも 割り当てられていないコマンドが沢山あって、 これらは M-x に続いてコマンド名を入力することで実行させることができます (例えば C-n にはデフォルトで next-line というコマンドが割り当てられているため、 C-n を押すのと M-x next-line と入力するのでは同じ結果になる)。 また、キー操作はコマンドの頭文字で覚えるようにすると楽です (以下に紹介するコマンドで下線が引いてあるところを参照)。 なお emacs のキー操作では、大文字小文字は区別されます。
注:Mはメタキーの意味で、多くのコンピュータではESCキーを押して離す操作(タイプすると呼ぶ)に対応している。M-xなら、ESCをタイプして、続けてxキーをタイプする。Cはコントロールキーで、押しながら次のキーを押して離す。C-nなら、コントロールキーを押しながらnキーをタイプする。
・ C-x C-f (find-file) ファイル読み込み... ・ C-x C-s (save-buffer) カレントバッファを保存 ・ C-x C-w (write-file) カレントバッファを別名で保存...
・ C-f (forward-char) 1文字進む (→) ・ C-b (backward-char) 1文字戻る (←) ・ C-n (next-line) 次の (= next) 行へ (↓) ・ C-p (previous-line) 前の (= previous) 行へ (↑) ・ C-e (end-of-line) 行末へ ・ C-a (beginning-of-line) 行頭へ ・ C-l (recenter) カーソルが画面中央にくるようにする
注:C-SpaceはMacでは別の操作に割り当てられている場合がある(古いOSXではSpotlight検索、新しいOSXでは日本語入力モード)。その場合は、MacかEmacsのどちらかの設定を変える必要がある。C-Spaceの代わりにC-@も使えるので、C-@の使用を推奨する。
注:カットやコピーした文字を記憶しておくメモリ領域をEmacsではkill-ringと呼ぶ。
・ Del (delete-backward-char) カーソルの左の文字を削除 ・ C-d (delete-char) カーソルの文字を削除 ・ C-k (kill-line) 行のカーソル以降を削除し kill-ring へ ・ C-y (yank) kill-ring の内容をカーソル位置にはき出す ・ C-Space (set-mark-command) 現在のカーソル位置をマーク ・ C-w (kill-region) region の範囲を削除して kill-ring へ ・ M-w (copy-region-as-kill) region の範囲を削除せず kill-ring へ
注:Emacsはウィンドウが無かった頃のエディタなので、画面を複数のバッファで切り替えたり、画面を分割して複数のバッファを表示するように作られている。何かの拍子で画面が2分割になってしまったときはこれらのキーで元に戻すとよい(例えば、C-x 1でカーソルのあるバッファのみの表示に戻せる)。
・ C-x b (switch-to-buffer) ウインドウのバッファを切り換える... ・ C-x C-b (list-buffers) 存在しているバッファ一覧を表示... ・ C-x k (kill-buffer) バッファそのものを消去する... ・ C-x 0 (delete-window) ウインドウを消去する ・ C-x 1 (delete-other-windows) ウインドウを画面いっぱいに広げる ・ C-x 2 (split-window-vertically) 上下に 2分割 (C-x ^ で広げる) ・ C-x 3 (split-window-horizontally) 左右に 2分割 (C-x { , C-x } で広げる) ・ C-x o (other-window) カーソルを次のウインドウへ移動 (時計回り)
・ C-s (isearch-forward) 順方向に検索... ・ C-r (isearch-backward) 逆方向に検索... ・ M-% (query-replace) 文字列置換... (「!」で一度に置換できる)
・ C-g (keyboard-quit) 現在実行中の操作を中止 ・ C-z (suspend-emacs) Emacs を一時停止する (アイコン化) ・ C-x u (advertised-undo) ひとつ前の操作を取り消し、元に戻す(undo) ・ C-x C-c (save-buffers-kill-emacs) すべてのファイルを保存し emacs を終了 ・ M-x shell 新しいバッファを開きシェルを起動する