京都産業大学外国語学部では、英語・ドイツ語・フランス語・スペイン語・イタリア語・ロシア語・中国語・韓国語・インドネシア語を専門的に学ぶことができます。
2023年11月、パリのイダルゴ市長が、X(旧ツイッター)を退会すると言うニュースが流れた。イダルゴ市長はXを「巨大な世界規模の下水道」と化していると批判したとのことだが、この「下水道」とはどう言うつもりで言ったのだろうか。何か汚い場所ということだろうか。「巨大な世界規模の下水道」と言うのは、英語のgigantic global sewerの訳だが、英語で考えても今ひとつピンとこない。しかし、イダルゴ市長はフランス人だ。頭の中ではフランス語で考えている可能性がある。sewerのフランス語はégoutだが、「下水道」の意味の他に比喩的に「悪の巣窟」のような意味でも使われるのである。イダルゴ市長が「悪の巣窟」というつもりだったとすれば、彼女のX批判と符号する。しかし、このようなことは英語のsewerや日本語の「下水道」だけを見ていても分からないのである。世界中の英語で発信する人たちが頭の中では英語以外の言語で考えている可能性があることを忘れてはならない。
©平塚徹(京都産業大学 外国語学部)
京都産業大学外国語学部では、英語・ドイツ語・フランス語・スペイン語・イタリア語・ロシア語・中国語・韓国語・インドネシア語を専門的に学ぶことができます。