「盗作の底なし沼」?

平塚 徹京都産業大学 外国語学部

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 2025年6月、ディズニーやユニヴァーサルが生成AI企業ミッドジャーニー社を訴えたというニュースで、両社はミッドジャーニー社を「盗作の底なし沼」と批判したと言うニュースが流れた。「盗作の底なし沼」とは面白い表現をするものだと思った人も多いようだ。まるで、盗作にどんどんハマっていって抜け出せなくなるような感じだ。しかし、この訳は適切なのだろうか。この「底なし沼」はbottomless pitの訳なのだが、辞書を引くとこの表現には色々な意味がある。しかし、この文脈に合いそうな意味は、「無尽の供給源」だろう。つまり、ミッドジャーニー社を再現なく盗作を生み出すと批判したととるのが最も自然な解釈である。

 なお、bottomless pitが出てくる原文はこれ。

Midjourney is the quintessential copyright free-rider and a bottomless pit of plagiarism.
これを、GoogleやDeepLに訳させると、いずれも「底なし沼」と訳した。おそらくこの機械翻訳がそのまま使われたのだろう。


©平塚徹(京都産業大学 外国語学部)

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