「哈之门・尼之门・Nu之门・O之门」というのは、姫路城内の案内プレートの中国語表記である。「はの門」は「哈之门」、「にの門」は「尼之门」と漢字表記になっているのに対して、「ぬの門」は「Nu之门」、「をの門」は「O之门」とローマ字表記になっている。
「をの門」については、oという音節を漢字表記できないからと説明できる。と言うのも、oという韻母は、基本的に、唇音(b・p・m・f)の後にしか出てこないからだ(「噢ō・哦ó・嚄ǒ・哦ò」というのがあるが、全て感嘆詞である。「咯lo」も特殊な例だと考えられる)。そのため、例えば、オマーンは、「阿曼Āmàn」と音訳されている。
「ぬの門」は漢字表記は可能なはずである。例えば、バヌアツは「瓦努阿图wǎnǔ'ātú」と音訳される。なぜ、「努之门」のようにしなかったのだろうか。「はの門」・「にの門」と「ぬの門」・「をの門」で、プレートの書式が違うので、こんなシナリオを考えた。
先ず最初に「はの門」・「にの門」のプレートを作ったが、その時には特に問題はなかったので漢字表記にした。しかし、その後、「ぬの門」・「をの門」のプレートを作ろうとしたところ、「を」を漢字表記できないことが発覚しま。そこで、どちらもローマ字表記にした。
なお、パンフレットの地図は、全てローマ字表記になっている。