| StarSuite とは | StarSuite の起動・終了 | ヘルプの利用 | 参考書籍 |
StarSuite は、統合オフィスソフトウェアと呼ばれるものです。2002年に製品として "StarOffice" (日本国内では商標の課題により "StarSuite" という名称)が Sun Microsystems 社の製品として登場しました。同様のソフトウェアには、Microsoft 社の Office シリーズ (Windows および Macintosh で動作) が有名ですが、他にも Apple 社の AppleWorks (Macintoshのみで動作)、KOffice (LinuxのKDE上で動作)、Think Free Office (Windows および Macintosh で動作)、EIOffice (Java環境で動作) 等があります。
StarSuite 自身は、統合的なアプリケーションの名前であり、具体的に利用するソフトウェアはワードプロセッサである Writer や、表計算ソフトウェアである Calc などとなります。StarSuite に含まれる主要なアプリケーションをまとめると次の表になります。
アプリケーションの種類 | ソフトウェア名称 | 説明 |
---|---|---|
ワードプロセッサ | Writer | 通常の文書作成 |
表計算 | Calc | 表の作成や数値データの様々な計算およびグラフ化 |
プレゼンテーション | Impress | スライドショーによるプレゼンテーション処理 |
ドロー | Draw | 線や図形をベースとした図の描画・画像作成 |
数式エディタ | Math | 数式を綺麗に描くためのツール |
データベース | Base | データベースのシステム |
この他にも、Webページエディタや vcard形式の名刺データ作成・管理ツールがあるほか、writer の機能を利用した様々な定型文書作成のツールが用意されています。その定型文書には、メモ、手紙、ラベル、Fax送付票などが挙げられます。
コンピュータリテラシの授業では、これらの中からワードプロセッサ (Writer)、表計算 (Calc)、プレゼンテーション (Impress)、ドロー (Draw) について説明を行います。
StarSuite を起動するには、次のコマンドをプロンプトで入力します(%がプロンプト)。
% soffice &
ここでの"&"はコマンド入力したシェルに対してバックグラウンドプロセス (Background Process) として動作させることを意味します。
新規に文書を作成する場合は、File メニューの「新規ファイル作成」を選択し、文書ファイルのタイプを選択することで個々のアプリケーションが起動されます。また、「ファイルオープン」で既存ファイルを選択しても構いません。それ以外では、始めから利用するアプリケーションが決まっている場合は直接のそのプログラム名(コマンド名)を kterm で実行することも可能です。(例えば、Calc を利用する場合、 soffice -calc & としてコマンド入力する)
「ファイル」メニューから「終了」を選択(もしくは Control+Q)することで StarSuite を終了することができます。「ファイル」メニューの「閉じる」を選択するだけでは、現在のファイルを閉じるだけで、StarSuite 自体は終了しません。
従来のワープロソフトや表計算ソフトなどと同様、GUI上のソフトウェアで可能な基本的編集作業は"Writer", "Calc", "Impress", "Draw"等、StarSuite内のどのアプリケーションでもそのまま適用できます。例えば、「カット(切り取り)」は Ctrl+X、「コピー」は Ctrl+C、「ペースト(貼り付け)」は Ctrl+V、「すべて選択」は Ctrl+A、「アンドゥ(元に戻す)」は Ctrl+Z となります。
StarSuite の基本機能として、作成ファイルの内容をPDFファイルとして書き出すことが可能です。これはどのアプリケーションでも File メニューから「PDF としてエクスポート」を選択することで書き出せます。通常 Linux 上では、何かしら別のツールやコマンドなどを利用して PDF ファイルに変換する手間がかかりますが、StarSuite ではメニューで選択するだけでPDFに変換できます。
作成した文書ファイルを他人に渡す場合、相手が StarSuite を所持しているとは限りません。そのような場合、PDF のほうが相手が閲覧できる可能性が高いので、PDF を利用することがあります。PDF の利点は、通常のワープロ文書に比べてファイルサイズが小さくなること、内容の改変/改ざんが簡単にはできないこと、などが挙げられます(Adobe Acrobat の製品などを使えば多少の改変は可能です)。レポートを電子ファイルとして提出する際には、StarSuite の文書ファイルそのままを提出するよりは、PDF に変換して提出するほうが一般的にはスマート(格好いい)と言えます。是非 PDF を活用しましょう(プログラミングAの資料はほとんど PDF で提供されています)。
PDF は Adobe社によって作られた文書ファイルのフォーマットですが、その仕様は公開されており、Adobe 社以外からも PDF に関するツールなどが多数開発・公開されています。PDFを閲覧するためのソフトウェアは Adobe 社の Adobe Reader (以前は Acrobat Reader と呼ばれていました) が有名ですが、その他にも存在しています。Mozilla のウィンドウでも PDF の閲覧が可能ですが、これはAdobe Reader に相当する機能の Mozilla プラグインが Adobe 社から提供されており、cc環境ではそれをインストールしてあるから閲覧できるのです。なお、Windows や Macintosh 上の MS-Office は直接 PDF を書き出す機能を持っていませんが、製品の Adobe Acrobat やシェアウェアなどを利用すれば、PDF に変換することが可能です。
StarSuite のヘルプを利用するには、メニューバーの「StarSuite ヘルプ」を選択します。
ヘルプウィンドウでは、左半分のエリアがヘルプ利用形態を切り替えるタブパネルになっており、「目次」「索引」「検索」「ブックマーク」の各々のタブが選択できます。右半分はヘルプの内容が表示されるエリアとなっています。
いずれのパネルが表示されていても、前に表示したヘルプ項目を再び参照したい場合には、ウィンドウ上部にある左矢印アイコンをクリックすることで再度ヘルプを呼び出します。逆に右矢印アイコンは、次に表示したヘルプを呼び出します。
パネル内部にはヘルプの目次が表示され、各項目の左端には「閉じた本」のアイコンが表示されています。項目をダブルクリックすると、その下の階層の項目が表示され、本のアイコンが「開いた本」になります。その下の階層のヘルプ項目を選択すると、ウィンドウ右側のテキストエリアにヘルプ内容が表示されます。
パネルの上部には「検索キー」のテキスト入力エリアがあり、ここにヘルプ参照したい項目の文字列を入力すれば、その下のテキストエリアに語句が一致するヘルプの索引が提示されます(ヘルプの項目名を検索している)。表示されたヘルプ項目を選択することで、ウィンドウ右側のエリアに選択したヘルプ項目の内容が表示されます。
パネル上部の「検索キー」エリアに語句を入力して検索ボタンをクリックすることで、ヘルプのすべての解説文の中から検索キーワードに一致するものを検索し、それらのヘルプ項目を提示します。その検索されたヘルプ項目のリストから目的のものを選択することで右側のエリアに内容が表示されます。但し、検索キーの下にある「単語として」および「タイトルのみを検索」のチェックボックスをオンにして検索すると、各々の条件に合致した候補が提示されます。
他のパネルでヘルプを閲覧した際に、よく利用する項目と思うものなどをブックマークに登録しておくことができ、その登録したヘルプのリストが提示されます。ブックマークへの登録は、ウィンドウ上部の一番右側にある「ブックマーク登録アイコン」をクリックすることでできます。その際、登録するキーワードは自由に設定できます。