プリンタ装置を利用して、様々な文書ファイルやデータファイルを印刷する必要が出てきます。大学のコンピュータ環境にあるプリンタはネットワーク接続されたものであり、特定の PC に接続されたものではありません。ここでは、ターミナル上のコマンドプロンプトからプリンタを利用する方法について説明します。
教室内には複数のプリンタが存在しており、各プリンタには名称が付けられています(プリンタ名)。教室の PC でファイルを印刷する場合、プリンタ名を指定すればその名前に対応したプリンタを利用することができます。プリンタを指定しない場合は、各 PC で設定されたデフォルトプリンタ (default printer) から印刷されることになります。cc 環境では、各 PC に一番近いプリンタが、その PC のデフォルトプリンタとして設定してあります。
コンピュータ用語の「デフォルト」 (default) は、「ユーザが特に何も指定しない場合の初期値・既定値」という意味です。コンピュータ業界ではよく使われる言葉ですので憶えておきましょう。
ここで一度、自分が座っている席に一番近いプリンタの名称をメモしておきましょう。一応、各教室に設置されたプリンタの名称を下表にまとめます。
教室 | プリンタ名 |
---|---|
10203教室 | anp2301 〜 anp2304 |
10204教室 | anp2401 〜 anp2404 |
10206教室 | anp2601 〜 anp2604 |
なお、cc環境にて授業以外でプリンタを使用する場合、印刷用紙は自分で用意することになっています。
プリントは、lpr コマンドを使用します。-Pオプションに続けてプリンタ名を記述することで、特定のプリンタからの印刷指定が可能です。-Pオプションを指定しない場合は、各PCに設定されたデフォルトプリンタから出力されます。
書式: lpr [-Pプリンタ名] ファイル名
例: プリンタ apr2201 よりファイル hello.c を印刷 cc2000(93)% lpr -Papr2201 hello.c 例: プリンタ名を省略すると、デフォルトのプリンタで表示される cc2000(94)% lpr hello.c
印刷状態をチェックするには、lpq コマンドを使用してプリンタの動作状態を表示して確認します。lpr コマンドと同じく、-P オプションを付けることで特定のプリンタの状態をチェック可能ですが、-Pを省略した場合はデフォルトのプリンタの状態が表示されます。
書式: lpq [-Pプリンタ名]
例1: cc2000(95)% lpq -Pcsnp1001 ← プリンタ csnp1001 の動作状態をチェック csnp1001 is ready ← プリンタ csnp1001 は「印刷可能」というメッセージ no entries ← csnp1001 は「現在何も出力待ちのジョブがない」というメッセージ cc2000(96)%
例2: cc2000(96)% lpr test ← デフォルトプリンタで大きなファイルを印刷 cc2000(97)% lpq ← デフォルトプリンタの動作状態をチェック anp2101 is ready and printing ← 現在印刷中 Rank Owner Job File(s) Total Size active kitagaw 27 test 6144 bytes cc2000(98)%
一度 lpr コマンドでプリンタへ送ろうとした印刷要求(プリントジョブ)は、lprm コマンドで取り消すことができます。誤って別の大きなファイルを印刷しようとしてしまった場合などに、まだプリンタから印刷されていなければジョブを取り消したりします。-P オプションでプリンタ指定が可能ですが、付けない場合はデフォルトプリンタのジョブに対する処理と解釈されます。
lprm [-Pプリンタ名] ジョブ番号
例:ジョブ番号 1 の印刷を取り消す % lprm 1