「フランス語エキスパート」は週4回の授業全体が一つのコースとして、総合的プログラムを構成します。4回の授業は大きく二つに分かれます。
 まず、2回の授業を使って、フランス語を話し、聞き取るといった口頭でのコミュニケーションの習得を目指して、口頭練習を大幅に取り入れながらフランス語の基本を学習します。日常的な会話表現を勉強しながら、「あいさつ」や「自己紹介」から始めて、しだいに複雑な表現を学び、一年を通して最終的には過去や未来のことを語ったり、自分の感情や意見を述べることがきるように練習を重ねます。授業では文法や意味の説明は最小限にとどめ、実際にフランス語を話す口頭練習を中心とし、より豊かなコミュニケーション能力を身につけるために、フランス語を使って担当教員を相手に、あるいは受講生同士でやりとりをする時間をたくさんとります。こうした練習を通して、自然にフランス語を話し、相手の問いかけに対して即座に反応して応答できるようにしていきます。教材は文法教科書のほか、補助教材を配布します。
 4回の授業のうち、他の2回の授業では、基本的な文法を学習しながら、テキストの読解をします。文法事項・語彙・構文などの面で、口頭表現の授業の内容を補強するとともに、口頭練習で出会うものとは異なった種類の文章を読む練習もします。辞書を活用して、さまざまな種類のテキストを読むことで、単語力を拡充し、また、より複雑な構文などを含むやや高度な文章に取り組む力も養成していきます。基本的な文法事項をまとめた文法書を教科書として使用し、また指定辞書も授業で使用します。読解練習用のテキストは担当教員が準備(指定)します。
 
「口頭コミュニケーション中心の授業」および「文法・読解中心の授業」の計画は以下のとおりです。

授業計画:「口頭コミュニケーション中心の授業」ー春学期
第1週~第2週
0. あいさつ。
1. 自己紹介。
1.1. 名前を言おう。
1.2. 住んでいる町を言おう。
1.3. oui, / non, を使おう
1.4. qui
2.1. 出身地
2.2. 今までのすべての表現を使って応答 (世界の都市名を使う)
3.1. 友人(隣の人)を紹介
3.2. mon père, ma mère/il, elle, ils
4. 数字:0--10、電話番号
5. 国籍 Nationalité.
5.1. 国名、都市名(地図を使う)C’est…/Ce n’est pas…(ne ... pas の導入)
5.2. 住んでいる国を言う・国籍を言う:Je suis..., Tu es..., Il / Elle est...の使用
5.3. 否定文:「国籍・住んでいる国・出身地」
5.4. 「否定疑問」とその答え方

第3週~第4週(ゴールデンウィークを含む)
5.5. 「話すことば」を言う
5.6. いろんな人の名前で文を作ろう。
6. 職業 professions
6.1. 自分の職業 êtreの活用(vous, nous, on, ils/elles)

第5週~第6週
6.2. 家族の職業
7. 数字, 11-20 / 年齢の尋ね方、足し算、引き算
8.1 C'est un....
8.2. 所有形容詞:mon, ma, ton, ta, son, sa, mes, tes, ses
9. 数字、21-60 年齢、時刻、日付

第7週~第8週
10. aimer
10.1 好きなもの・好きでないものを言ってみよう。
10.2. 好きなものを「名詞+形容詞」の形にして言ってみよう。
10.3. aimer + 動詞
10.4 好きなものを複数言ってみよう。好きなものと嫌いなものを対比させて言ってみよう。
10.5. Nous aimons ... Vous aimez…
10.6. Qui, Qu'est-ce que, Qui est-ce que
11. 数字 61-100 年齢、誕生日
12. 形容詞:自分や知人を描写する
12.1. 程度の表現:très, vraiment, assez
12.2. Comment ?
12.3. 目の色、髪の色・長さ等:avoirを使う

第9週~第10週
12.4. et / maisで文をつないで長い文を作る。êtreの様々な活用形を使う。
12. 5 trop
13.  avoir
13.1. 持っているものを言う
13.2. 疑問文とenの導入
13.3. Combien de X
13.4. J'ai froid / chaud / faim / soif / sommeil.
13.5. J'ai mal à…

第11週~第12週
13.6. Il y a...
13.7 Il y a を使った疑問文
14. 復習
14.1. 疑問文のまとめ (復習)
14.2. 否定文 Négation(復習)
15. 単語 nombres :61-1000:年齢、年号、電話番号
16. Aller et venir / 代名詞 y
16.1 Où
16.2. Y
16.3. avec X

第13週~第15週
 総復習および口頭試問:
12週までに学習したことを総合的に復習し、聞き取り練習・書き取り練習を通じて定着を図る。最後の授業時間に口頭試問を実施する。
(祝日等で授業時間が確保できないときは、授業実施回数に応じて計画を変更する。また、学生の習得状況に応じて計画を変更することもある。)

授業計画:「口頭コミュニケーション中心の授業」ー秋学期
第1週~第2週
17. 予定・習慣:様々な動詞表現
17.1. commencer, finir, partir, rentrer + 時刻、日時
17.2. 時間帯、曜日
17.3. 習慣的にすること

第3週~第4週
17.4 「すること」+時刻
18 代名詞
18.1 代名詞 (直接目的) : le, la, les, me, te
18.2 代名詞(間接目的) : lui, leur, me, te

第5週~第6週
18.3 代名詞の重複
19. 複合過去 Passé composé
19.1. 夏休みにしたことを話す
19.2. 過去を示す時の表現を使って

第7週~第8週
19.3. 複合過去での応答と代名詞 (le, la, les, lui, leur, y)
20. 道を尋ねる・天気の話題。
20.1 Demander le chemin
20.2 Quel temps fait-il ?

第9週~第10週
21. 代名動詞
21.1 代名動詞の現在形
21.2 代名動詞の複合過去
22. 近接未来と近接過去

第11週~第12週
22.1 aller +動詞
22.2 venir de + 動詞
23. vouloir/pouvoir/devoir+inf.
23.1. vouloir+動詞
23.2. pouvoir +動詞
23.3. devoir / Il faut+動詞 .

第13週~第15週
 総復習および口頭試問
12週までに学習したことを総合的に復習し、聞き取り練習・書き取り練習を通じて定着を図る。最後の授業時間に口頭試問を実施する。
(祝日等で授業時間が確保できないときは、授業実施回数に応じて計画を変更する。また、学生の習得状況に応じて計画を変更することもある。)

授業計画: 「文法・読解中心の授業」ー春学期
第1週~第2週
0.フランス語の発音:母音、子音、半母音、リエゾン・アンシェヌマン・エリジョン

第3週~第4週(ゴールデンウィークを含む)
1. 名詞と冠詞
2. 第一群規則動詞の直説法現在
3. 否定文と疑問文

第5週~第6週
1. 動詞êtreのの直説法現在
2. 形容詞の変化
3. 形容詞の位置
4. 指示形容詞

第7週~第8週
1. 所有形容詞
2. 動詞avoirの直説法現在
3. 部分冠詞
4. 第二群規則動詞の直説法現在
5. 不規則動詞の直説法現在

第9週~第10週
1. 前置詞と冠詞の縮約
2. 動詞allerとvenirの直説法現在
3. 命令法
4. 不規則動詞(2)の直説法現在

第11週~第12週
1. 疑問副詞
2. 疑問形容詞
3. 疑問代名詞
4. 比較級
5. 最上級

第13週~第14週
1. 直説法複合過去
2. 非人称構文
3. 関係代名詞qui, que
4. 強調構文

第15週
 総復習
14週までに学習したことを総合的に復習し、練習を通じて定着を図る。
(祝日等で授業時間が確保できないときは、授業実施回数に応じて計画を変更する。また、学生の習得状況に応じて計画を変更することもある。)

授業計画: 「文法・読解中心の授業」ー秋学期
第1週~第2週
1. 人称代名詞
2. 強勢形の用法
3. 指示代名詞

第3週~第4週
1. 代名動詞
2. 受動態
3. 1日のスケジュール

第5週~第6週
1. 直説法半過去
2. 直接法大過去
3. 関係代名詞 où, dont, 前置詞+qui, 前置詞+lequel

第7週~第8週
1. 直説法単純未来
2. 直説法前未来
3. 中性代名詞

第9週~第10週
1. 条件法
2. ジェロンディフ

第11週~第12週
1. 接続法
2. 直接話法と間接話法

第13週~第15週
 総復習
12週までに学習したことを総合的に復習し、練習を通じて定着を図る。
(祝日等で授業時間が確保できないときは、授業実施回数に応じて計画を変更する。また、学生の習得状況に応じて計画を変更することもある。)



履修上の注意
 新しい外国語を短期間で一定レベルまで習得するためには、継続的な反復練習が不可欠です。週4回の授業に欠かすことなく出席することが当然の前提です。特に、口頭練習を主にした授業では欠席してしまうと、後で自分で取り返すことは非常に難しいでしょう。
 しかし、ただ出席しているだけで参加しないのでは意味がありません。各自の積極的で自発的な授業への参加が必須です。学習すべきことは盛りだくさんですから、授業で学習したことはその日のうちに確実にマスターする心構えで受講してください。求められた準備や復習も欠かすことのないようにしてください。

授業の到達目標
・日常生活で使われるフランス語の基本を習得し、それを実際に口頭で使えるようになること。また、外国語によるコミュニケーションに際して自然さと自発性を身につけること。
・基本的な文法・構文の知識を確実に身につけ、平易なフランス語の文章を独力で読めるようになること。