EE18,EE21,EE24,EE58,EE60

飯田善郎, 濱口泰代, 小田宗兵衛, 「公共財実験におけるグループ間競争の有効 性」, The Proceedings of the Seventh Experimental Economics Conference of Japan, pp.222-230, 2003.
論文の概要:公共財の自発的供給実験において、複数のグループ間での公共財投 資量の競争がどのような効果を及ぼすかを研究した。グループ間の順位情報だけ を与えるゲームでは、情報は明確な影響を被験者の行動に与えなかった。順位に よってグループ間で移転所得がある場合は、移転所得の額を十分なものにすれば 被験者の行動は協調行動へと振れるが、完全な協調行動へは至らないことが確認 された。また、“パートナー”でも“ストレンジャー”でも、この結果に有意の差は 見られなかった。



ED

飯田善郎, 小田宗兵衛, 「経済学教育の効果:協調行動分析からの検証」, 平成 13年度〜平成17年度私立大学学術研究高度化推進事業「オープン・リサーチ・セ ンター整備事業」研究成果報告書, pp.250-262, 2005.
論文の概要:諸外国で指摘されている経済学部専攻の学生の利己的選択の傾向が 日本でもみられるかを報酬を伴う囚人のジレンマ実験とアンケート調査をもちい て検証した。アンケートの質問は公共財の自発的供給問題と同様の状況での被験 者の行動を尋ねる質問群と、現金入り封筒を自分あるいは他者が拾ったらそれを 正直に届けると思うかというような自己および他者の正直さに対する見込みを尋 ねる質問群に分かれる。経済学部の学生は囚人のジレンマ実験や公共財問題系の アンケートへの回答においては他学部の学生と目立った差異はないが、正直さに かかわるアンケートにおいては他学部と比較して非正直な傾向の回答をしやすい 傾向が観察された。



EE25,EE26,EE28,EE29,EE31,EE32,EE33

予備実験として実施。実験室環境でアプリケーションが動作するか検討した。



EE35,EE36

K. Ogawa, Y. Koyama, and S. H. Oda, A Middleman in an Ambiguous Situation, Journal of Socio-Economics, 2006, vol.35-3, 412-439

研究の要約 被験者がマーケットマイクロストラクチャー理論の想定する仲介業者 の役割を果たすことができるかどうかを検討する。需要関数と供給関 数の形状を(一般的な知識以外は)何も知らない状況にお いて、被験者が仲介業者として、どのように仕入価格と販売価格を決 定するかを実験を用いて検討した。実験結果が示すのは以下の通りで ある。多くの被験者は需要と供給が一致する仕入価格と販売価格を探 索し、その後、取引数量を一致させたままで、局所最適利潤を得るた めに価格を調整した。 この結果は、マーケットマイクロスト ラクチャー 理論の想定よりも難しい状況であっても、被験者 が仲介業者として意思決定できることを示唆している。意思決定は Ellsberg(1961)、Enhorn and Hogarth(1986)やFox and Tversky (1995)が提唱する曖 昧状況下での意思決定で解釈が可能であ ることも明らかになった。

この実験に関連する論文として、

I. Iwasaki, K. Ogawa, S.H. Oda, and M. Yokoo, ."Reinforcement Learning on Monopolistic Intermediary Games: Subject Experiments and Simulation", in Agent-Based Approaches in Economic and Social Complex Systems: Post Proceedings of The AESCS International Workshop 2005. (Springer Series on Agent Based Social Systems, Vol. 3)

がある。



EE52-55, EE69-72

Price Competition Between Middlemen: An Experimental Study

. "Price Competition Between Middlemen: An Experimental Study", Kazuhito Ogawa, Kouhei Iyori, and Sobei H. Oda, Gaming, Simulations, and Society: Research Scope and Perspective, pp.59-68, 2004, Springer



EE97,EE98,EE103,EE104,EE106

Kouhei Iyori, and Sobei H. Oda, A Price Competition Experiment between Middlemen: Linear Function Case, in Developments on Experimental Economics, New Approaches to Solving Real-World Problems, Lecture Notes in Economics and Mathematical Systems , Vol. 590

Oda, Sobei H. (Ed.)

論文の要約

これら2編の論文では、2人の仲介業者がどのように価格競争を行う かを実験的に検討した。本稿で仲介業者は仕入価格を生産者に提示し て商品を購入し、販売価格を消費者に提示して商品を売却する経済主 体である。仕入価格と販売価格の設定に関する競争をゲーム理論で表 現したモデル(Spulber,1999, Stahl, 1988)を用い、実験環境 を構築した。被験者は第1段階で 仕入価格の競争を行い商品 を仕入れる。第2段階では、商品を仕入れられた被験者が販売価格を 設定する(複数が仕入れていた場合価格競争が発生する)。サブゲー ム完全均衡では、被験者は第1段階、第2段階ともに市場均衡価格を 選択する。需要と供給に関する情報と実験経験を変えて実験を行った ところ、少なくとも2割の被験者が市場均衡価格を選択した。他の価 格競争実験では、競争人数が2人の時には誰も市場均衡価格を選択し なかったことを考慮すると、本稿の実験は競争を誘発するメカニズム を持つことが示唆される。



EE112-EE114,EE142,EE144,EE150,EE152

Yoshio IIDA, “The Effect of Inter-group Competition in the Prisoner’s Dilemma Game” n Developments on Experimental Economics, New Approaches to Solving Real-World Problems, , Vol. 590 Oda, Sobei H. (Ed.)

論文の概要:グループ間競争の結果が囚人のジレンマ実験でどのような結果をも たらすかについて検証した。グループ内で囚人のジレンマ実験を行い、複数のグ ループを組にして協調行動をとったプレイヤーの数で勝った側のグループが追加 的な報酬を得るという競争構造を設けたところ、支配戦略が裏切りであるような 低い競争報酬においても被験者の協調を選択する割合は高まること、また報酬を 伴わない単なる順位情報でも協調の選択の割合が改善することが確認された。



EE122,EE127,EE129,EE132,EE134,EE141,EE143,EE145,EE151

Marginal Contribution of Information to Profit in a Zero-sum Game

Hiroyasu Yoneda. Gen Masumoto Sobei H.Oda

Introduction

This paper describes how those who are less informed play a zero sum game with those who are better informed. Apparently more informed players can always earn more than a less informed players. In the real world, in the stock and future markets in particular, however, modestly-informed traders seem to miss their guess more frequently than no-informed or random traders do. In this paper we shall show why and how such paradoxical phenomenon can be observed with mathematical analysis, computer simulations and experiments with human subjects. In the next section

実験要約

この論文では、少ない情報を持つプレイヤーが多くの情報を持つプレイヤーと どのようにゼロサムゲームをプレイするかについて述べる。 一見すると、多くの情報を持つプレイヤーは情報の少ないプレイヤーよりも多くの利得を 得るように思える。 しかし、現実世界、特に先物市場や株式市場では中途半端な情報を持つプレイヤーが損しているように思われる。 この論文では、なぜそのようなパラドックスが起こるのかを数学モデル、被験者実験そしてコンピュータシミュレーションで 分析する。