京都産業大学 ORC Discussion Paper シリーズ

 
NoCHINA-172007年03月)
   
 

中国(大陸)・香港・台湾間の貿易構造

−カナダ統計局WTA19902002年貿易データを用いて−

 

寺町 信雄     

 

 要 約

 

 カナダ統計局 WTA の 1990 2002 年貿易データを用いて、中国 ( 大陸 ) ・香港・台湾の 3 地域間の貿易構造のfact findingsを行った。中国による 2001WTO 加盟に向けての貿易自由化政策、香港の1997年中国返還後の再輸出機能の変化、台湾の「三通問題」の対応など外的環境変化の影響を受けた 3 地域間の貿易構造を明らかにする。中国 ( 大陸 ) と台湾の対外貿易は増加傾向にあるが、香港は相対的に低下傾向にあり、香港の再輸出機能の役割は低下している。 3地域間貿易において、工業製品が中心であり、中でも「電気機器」「繊維・同製品」「プラスチック・同製品」の貿易シェアは高い数値を示し、さらに、いずれも最終財というよりは部品など中間財が主要品目になっていた。これは、香港・台湾企業の大陸への直接投資 (FDI) が強く関連していることが推察される。

 

 Keywords : 中国 ( 大陸 ) 、香港、台湾、貿易構造、再輸出、貿易特化係数


 

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