大森 隆 Ohmori Takashi
理学部 教授

略歴
1964年 大阪府出身
1988年 京都大学工学部卒業
1993年 東京大学大学院工学系研究科博士課程卒業、博士号取得
1993年 東京都立大学工学部助手
1998年 地球環境産業技術研究機構研究員
2002年 本学助教授
2007年 准教授
2008年 より現職
趣味は音楽、映画鑑賞


 研究分野: 環境科学、電気化学の研究
 主要研究テーマ: 環境・エネルギー技術に関する研究

太陽光利用水素製造 ― 大規模集中から小規模分散システムへ ―
 CO2を削減し地球温暖化を防止するためには、現在の化石燃料に依存したエネルギーシステムから脱却しなければならない。水素エネルギー社会に向けて、自然エネルギー、特に太陽光による分散型水素製造に関する研究開発を行っている。太陽光による水素製造では、水素製造過程において、一切CO2を排出しない。太陽光発電―水素製造―燃料電池といったクリーンエネルギーシステムにより、CO2を排出せずに、電気、熱エネルギー需要を言わば‘自給自足’で生産する、といった将来展望が可能である。またオンサイトで水素製造を行うことにより、水素輸送といった重大な問題の解消策となり得る。

太陽光による水素製造には多くのメリットがある。まず、太陽光は地球上どこでも一様にふりそそいでいるので、規模によらず望みの場所で水素を得ることができる。次に、システムが非常に簡単であるといった優れた長所がある。太陽光発電パネルと水電解槽を接続するだけで装置システムが出来上がる。
 太陽光発電および水の電気分解による水素製造は、これまでにも精力的に研究されてきた。そこでは、ほとんどすべてが大規模集中型による水素製造として検討が行われてきた。つまり、広大な面積の敷地に無数の太陽電池を並べ、これを大型水電解槽に接続して水素製造を行うといった方式である。しかしこの方式では、全体システム(水素生産―供給―需要)が長く複雑なものとなってしまう欠点がある。すなわち、広大な用地を確保できる遠隔地において、大規模発電設備と大型電解装置により製造された水素は、輸送できるように液体水素等に変換される必要がある。これは船などで目標地の港に運ばれ、その後発電所、タンク施設、家庭などに分配される。そしてこれらの場所でもう一度貯蔵された後ようやく使用される、といった複雑な全体システムである。これに対し、分散型の水素製造を採れば、システムは短く簡単にすることができる。電気分解、 貯蔵を組み合わせたり、オンサイト製造にすれば、水素輸送工程を省略することができる。よって、遠隔地からの水素輸送のための大規模なインフラ構築の必要性も解消できる。


**CO2電気化学還元**
 CO2の固定・有効利用法として電気化学還元法がある。Au電極は、CO2の還元過電圧が最も低く、還元生成物は主にCOとH2である。これは化学製品をつくるための工業中間原料の合成ガスとして知られている。またクリーンなエネルギー媒体のDME(ジメチルエーテル)の原料でもある。Au電極によるCO2電気化学還元に関する研究を行っている。
**水素貯蔵材料**
 水素貯蔵材料として、マグネシウム系水素吸蔵合金は、安価で軽く比較的多くの水素吸蔵ポテンシャルを持つ優れた材料である。新規作成法によりマグネシウム系水素吸蔵合金の研究を行っている。



研究トピックス
  • 水素製造・貯蔵
  • CO2固定・有効利用
主要論文(5編以内)
  • Y.Ikeda, T.Ohmori, Int. J. Hydrogen Energy, in press (2009).
    “Study on Chemical Synthetic Method to Prepare Mg2Ni Hydrogen Absorbing Alloy”
  • T.Ohmori, K.Tachikawa, K.Tsuji, K Anzai, Int. J. Hydrogen Energy, 32 5094 (2009).
    “Nickel Oxide Water Electrolysis Diaphragm Fabricated by a Novel Method”
  • 水分解光触媒技術―太陽光と水で水素を造る― 大森隆(分担執筆)シーエムシー出版 (2003).
  • ・分散型太陽光水素製造、大森隆、高圧ガス,40 16 (2009).
  • T.Ohmori, A.Nakayama, H.Mametsuka, E.Suzuki, J. Electroanal. Chem., 514 51 (2009).
    “Influence of Sputtering Parameters on Electrochemical CO2 Reduction in Sputtered Au Electrode”