京都産業大学

国際言語科学研究所 (1978-2001)


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■ 研究所の沿革

(『国際言語科学研究所所報』第1巻第1号の巻頭言より)

京都産業大学の創立者故荒木俊馬総長は言語研究について遠大な計画 を立てておられ、それを実現するために国際言語科学研究所の設立を 決定し,1978年7月1日、研究所の専任教授、兼任教授、助教授 を任命・発令し、ここに泉井久之助教授を所長とする当研究所が発足 した。その後間もなく7月10日総長は急逝され、研究所は打撃を受 けた。また本年泉井所長は定年制により退職され、研究所は再び打撃 を受けたが,幸いに客員教授としてとどまることになった。故荒木総 長の構想の実現を念願する柏祐賢学長が当研究所の活動の発展になみ なみならぬ熱意を寄せておられるので、 しだいに研究体制は整備されて行く見通しである。
 研究所の活動の成果は順次、研究所報に発表される。ここにささ やかながら第1号を刊行するにいたったので、刊行の次第を簡単に述べた。

1979年6月

京都産業大学国際言語科学研究所

所長 村 山 七 郎

■ 最後のご挨拶

(『国際言語科学研究所所報』第22巻の巻頭言より)

前号で予告したように、本学の研究所組織の改革の一貫として、国際言語 科学研究所は2001年3月末日をもって23年間に及ぶ活動にいったん終止符を 打つことになった。前所長は2000年4月から文化学部長になり、現所長も文化 学部の専任教授になっている。他の専任所員2名もそれぞれ新しい所属が 決まっている。

初代所長の泉井久之助先生が、定年退職のお別れの会で、わたしの手を強く 握って「研究所をよろしく」と言われたのを昨日のことのように思い出し、 先生に申し訳なく思う。二代目の所長村山七郎先生は私を教養部からひっぱ って下さった恩人である。先生の下で日本語の起源に関する国際シンポジウ ムを主催したときの研究所は世界から注目を浴びていた。三代目の小川環樹 先生は静かな学究そのものであった。次の矢島文夫先生からわたしはアラビ ア語の手ほどきを受けた。およそ20年にわたって研究所に在籍したおかげで わたしは研究に没頭することができたのであり、その恩恵ははかり知れない ものがある。しかし、このような恵まれた環境を維持する余裕のある私学が それほどあるわけではない。まして本学は10年後の生き残りをかけて、「研究」 から「教育」へと重心をシフトさせようとしているのであるから、今回の決定 は前向きに受け止めるべきであろう。すなわち、研究が研究として自己完結 するのではなく、教育の場でどのように生きてくるかを考えることは、研究 者自身の生き方の問題にもかかわることになるのであり、本来避けて通るこ とはできないはずだからである。国際言語科学研究所が廃止されても本学が 言語研究を放棄するわけではない。むしろあらたな形での研究が始まろうと している、とわたしは理解している。

いままで本研究所の活動に御協力いただいた学内学外の皆様に心から御礼申 し上げ、最後の巻頭言としたい。

2001年3月31日

京都産業大学国際言語科学研究所

所長  矢 野 道 雄


■ 歴代所長

泉井久之助、村山七郎、小川環樹、矢島文夫、梅田巌、松浦健二、三好準之助、 橋本高勝、矢野道雄


■ 研究所刊行物

京都産業大学 国際言語科学研究所所報(全22巻)
京都産業大学 国際言語科学研究所紀要(1巻のみ)

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Last modified: Thu Feb 24 14:27:43 JST 2005